2007
10.09

SOS 最終章

ただ、手段は「オフロードバイク」なだけ。

農耕民族の歴史を持つ日本人は働き者、食べる為に働く。

今はナンセンス。今は崩壊しつつあるが、終身雇用でのご時世、いかに楽に、無難に、定年を

迎えるかが最良の人生。仕事では責任重大、子供の成長を願い、家族団らん、親が歳老い、

看病しなくちゃ。

はちきれて遊ぶ瞬間は、人生の中でいかほどのものか?

楽しくやろう!ゴルフでもいい、山登りでもいい、なんでもいい、体が自由に動くのは何歳までか?

主人公S氏は、ちょうどその谷間の楽しい自分の時間を見つけてた。「バイク」で。

彼はハードな仕事を担ってる。体の調子が悪くとも、医者にもいけない。

先日、やっとの思いで検診にいった。ここが痛いとか、食欲無いとか、気持ち悪いとか、先生に訴えた。

本人は重い病気にかかってるものだと思い込み、常々、あと何年生きられっべか、

とポツンと真顔でつぶやくことが多くなっていた。

自分も彼のことは大好きで、ずっとお友達でいたいし、まだ一緒に遊びたい。まだ50歳前なのに・・・。

「あのヤブ医者、おれ具合悪いって言ってんのに、何にも悪くないといってあがる。血液も正常、

ガンマ何とかも正常、健康そのものだと!よし、まだバイク乗れる!今度のSUGO貸切はいつだ?

10/24?よ-し、会社休むぞ!」

 

二口峠で一回死んだ人生、何でもできる。SUGOで誰が餌食になるのか?

いつもの笑い声がカワサキオート山形の店内に響きわたり、周りのお客さんを笑顔に包んだ。