2010
11.26

別れ

これが昭和一桁生まれの頑固という見本でもあった。過去形である。
一昨日、父親が他界、78歳。十分全うした彼の人生。
晩年は腎不全という病気で人工透析、
それから心臓が極端に弱くなりEND。
あっけなかった、しかも息を引き取る瞬間を見とれなかった。
父親とは何にもいい思い出はない、ずっと避けてた。
オレのおねだりは何一つ聞いてもらえない。
母親が仲介役、でも無理。
また、父親と同じテーブルで酒を飲むことは一度も無かった。

遺体の顔、遺影の顔、オレにそっくりっだって。
最後くらい気持ちよく送ってあげよう。
大好きなウィスキー。
生前は毎日酔っ払い、周りに迷惑をかけやがって。
布団に眠る遺体の前でREDの小瓶を捧げ、フタをあけ、オレは黒ラベルで乾杯。
お疲れ様、クソおやじ、大嫌いだ。
最初で最後の無言の宴会。見せたくない涙が頬をつたう。